花蘇芳【3】


土日は購買部が休みなので、代わりに玄関脇に設置されている自動販売機に向かう。稲田は妹と並んで歩きながら、ふと思い出したように「そういや、男ができたんだってな」と尋ねていた。

「え? 私は全然、そんなの興味ないわよ。まぁ、相手がアラブの石油王ぐらいなら考えなくもないけど」

「いや、お前の話じゃなく」

「ああ、八軒? ご自分のことじゃなくて?」

「俺?」

「ええ、八軒と」

「俺はもう、そういうんじゃないよ。好きな女の子がいるっていうんだったら、そっちが優先だろ。俺の出る幕じゃないと思ってたんだがな。それが、今度は男ができたなんて噂になってるから、一体どういうことなのか一度、お前に話を聞きたいとは思ってたんだ。断れなかったんじゃなく、本人の意志で選んだ事なら、それはそれでいいと思っているがな」

「だから、それが、兄さんのせいなのに」

どうにも会話がループしている気がする。自販機の前まで来て、財布から小銭を出して「好きなの買え」と渡してやった。

「では、コーラを頂きますわ」

「そんな薬品漬け、よく飲めるな」

「薬漬けだろうとなんだろうと、世界中の人が飲んでいるものじゃないの。資本主義、合理主義の鑑だわ。頑なに忌避する方が偏屈なのよ」

そんなのをゴクゴク飲んでるから、その体型なんだろうが……とは、いくら妹とはいえども、あえてツッコまないのが紳士のたしなみだろう。例え、一気に飲み干して唇を手の甲で拭いながら、豪快なげっぷをしていたとしても、だ。

「兄さんが理想を掲げて、添加物を避けようと何しようと勝手だけどね。他人を巻き込むのはよろしくなくてよ」

「俺が、誰を巻き込んでいるっていうんだ?」

確かに同じ班の連中には、実習でああだこうだと主張させてもらってはいるが、それは巻き込むというよりあくまでディスカッションの一環であって、多摩子にとやかく言われることではない。

「八軒、まだ引きずってんのよ」

「は? それとこれと、どういう関係があるんだ」

「兄さんはご自分の主義主張のためにストイックに振舞えるかもしれないけど、八軒はそうじゃないんだって話。あまりにもカワイソウだから、鍋の方は諦めたけど、その後始末がちょっと今、ね。本当に八軒、かげでモテてたから……私、八軒が兄さんに泣きつくと思ってたから、これで少し兄さんが痛い目にあえばいいと思ってたのに。西川がダミーでカレシ役を名乗り出たのは計算外だったわ」

「ダミーって……ああ、そういうことなのか」

そりゃそうだよな、彼女ができたというのならともかく……と、安堵したのが露骨に表情にでてしまったのか、多摩子が「あら、焼き餅を妬いてらしたの?」と冷やかした。

「誰が焼き餅なんか」

「そうね、男の嫉妬は怖いって言いますものね。ご自分の醜い感情をお認めになれないのもお察しいたしましてよ。でも、本当はご自分でも割り切れていないんでしょう? 人の感情なんてそういうものですわ。ともかく、兄さんが八軒を突き放さないでちゃんとつかまえていたら、こんなことになってなかったのよ」

「それが、さっき言ってた、なんとかの伝説か?」

コーラぐらいじゃ落ち着くどころか逆効果だな。そもそもコーラには向精神作用があるし、カフェインも高いし。飲ませるなら、温かいお茶にさせておけば良かった。

「一応、駒場達が探しに行ってるけど……八軒の身になんかあったら、兄さんのせいなんだから」

気の強い多摩子が今にも泣き出しそうになっている。お金が親友と言い切るような守銭奴も人並に友達思いになったということか、それともそれだけ事態が深刻なのか。とりあえず、この状態は端から見たら男女間の修羅場に見えるだろうな。参ったな、と思っていたら、案の定、通りがかったクラスメートに「あら稲田君、何してるの? 女の子泣かしちゃダメじゃない」と冷やかされた。

「豊西さんか。いや、コイツは妹」

「ああ、八軒のクラスメートって言ってた子か。そう言われて見れば似てるわね。で、どうかしたの?」

「八軒が、今朝から」

多摩子がそこで言葉を詰まらせてしまった。




「酪農科とか農業科ってハードだから、もう少し体力あると思ってたけど」

木野が振り返ってボヤいた。
それを受けて、常磐が「鶏はこんな未開のジャングル歩かないからな。俺ら、猿じゃねーんだよ」と、農業科の西川は「いくら作業がハードでも、畑は平坦だし」と、それぞれ言い返した。相川はバテ気味で駒場に肩を借りている状態だ。

「ま、山道って慣れてないと結構クるしね。初めての道だと、ペース配分とか分からなくて余計に疲れるから、仕方ないかな。これでも夏場よりはマシだと思うよ、枝打ちとか下草の刈り込みとか、一応整備してるから」

くねくねと曲がる林道は未舗装で、人が踏みしめただけの獣道のような箇所もある。
これはいっそ拉致されて小屋まで運ばれていた方がマシかもしれんぞと、駒場は呆れた。八軒がこんな森に単独で迷い込んでいたら、絶対に自力じゃ出て来れない。というか、気絶している人間であろうと、意識があって抵抗している人間であろうと、無理やりこんな山奥に連れ込むって無理無いか? 本当にそんな事件があったのか? という疑問すら沸く。

「うそーん。これで整備してるんだったら、未開のジャングルってどんだけすごいんだよ。川○浩探検隊は偉大だったんだなァ」

そういうと、常磐が「川○浩探検隊」の歌をうろ覚えで歌い出す。

「なんだよ、歌えるほど元気なんかいっ!」と西川がツッコみ、木野が「熊よけになるから、そのまま歌ってて」と、冷静に言った。




風に吹かれた枝がサワサワと鳴り、ちょっと脇道に逸れれば沢が流れてせせらぎの音がしている。時折、冷たい空気を切り裂くように短く叫ぶ声は、鳥のものだろう。そして、デタラメに繰り返されている川○浩探検隊の唄。

「ホントにここ、熊出るの?」

相川がうんざりして木野に尋ねた。木野はけろっとして「キツネとかタヌキはしょっちゅう見かけるけど……ここの森ではドングリもとれないし鹿も見かけないから、熊は住めないかもね」と、答えた。

「なんだ、からかってたのか」

「でも、この季節だから、腹すかせて山伝ってくる可能性はあるし、念のため……これだけ人数がいるから、向こうから避けてくれるとは思うけど」

「だったら、あの歌辞めさせていい? いい加減、頭痛くなってきた」

常磐は「そんなに嫌がらなくても」と膨れていたが、すぐに「あ、でかいキノコ!」などとはしゃぎ出した。

「いや、あれ、人工物だから。昔、誰かが作ったテーブルの板が雨で歪んで来て、そう見えるだけ」

「そうなんだ? つまんないの。ハチなら絶対にアレ見たら、近くに寄ってると思わね?」

「八軒君はそんなアホの子じゃ……」

と、庇おうとした相川であったが、駒場が「と、言い切れない辺りが辛いな」と、それを受けて言ったのを否定できなかった。

「あそこに行こうとしたら、途中に沢があるから危ないよ」

「ますます、八軒がハマってそうだな」

駒場が真顔で呟き、相川は「いちいち、そーいうポイントをシラミつぶしに探すつもり!?」と悲鳴をあげた。




道中、道が枝分かれしているように見える場所や、いかにも道を間違えそうなポイント、足場が悪くて滑り落ちそうなエリアなども、いちいち迷い込んでいる可能性を踏まえて、確認しながら歩いていたせいもあり、問題の山小屋に辿り着くまでにかなりの時間がかかった。
確かにかなり古い小屋らしく、屋根のトタンは赤くサビが浮いていて、壁に白く塗られたペンキも所々剥がれ落ちている。窓には外側から板が打ち付けられているために内部を覗く事はできないが、近づいてみると、誰か居るのか、すすり泣くような声が漏れているのが聞こえた。

「げっ」

もっと早く来てやるべきだったか……だが、声がしているということは、まだ生きているということでもある。今すぐ踏み込むべきだろうか、と迷って顔を見合わせたところで、駒場が「ところで念のため確認なんだが。この中でリアルに経験したことのあるヤツいるか?」 と、真面目くさって尋ねた。何の経験、とは聞くだけ野暮だが、所詮は高校生。しかも色恋に浮かれる暇もなく朝から晩まで肉体労働に明け暮れる毎日を過ごしている農民ズだ。

「こーいうのも脱童貞っていうのかな。すげぇ。ハチ、オトナになっちゃんたんだなぁ」 と、常磐がズレたところで感心してウンウンと頷いた。

「いや、それはどーでもいいんだ。そうじゃなくて、この声が確かにアレの声だって言い切れるヤツ、いるか? リアル体験じゃなくバーチャルでも」

そこで西川が真面目くさって片手を挙げ「エロゲーとCDブックなら」と申告した。

「それって、声優がアフレコしてるやつだろ? 演技じゃん」

「AVだってアフレコしてるだろーが」

「確かに、洋モノはそーだっていうねぇ。僕は見た事ないけど」

「ちょっ、てめぇ相川、自分だけ良い子になろうったって、そうはいかねーぞ」

「それにしても、本当に人間の声……かなぁ、これ。もし人間だとしても、ハチじゃない気がするんだけど」

「それだったら、八軒じゃない誰かが、ここでイタしてるってことだろ」

「その場合、合意かどうかで変わってくるよね。強姦じゃなくて、フツーに逢い引きだったら申し訳ないし……でも、強姦だったら助けなきゃだし」

その間にも、鼻にかかったような声は切れ切れに続いている。まるですすり泣いているような、苦しさに喘いでいるような……意味のある単語は聞き取れず、赤ん坊の喃語を連想させた。

「こーいうのって、らめぇ、とか言うんじゃないの?」

「リアルで言うもんなのか、アレって……つーか、アンアンいうの聞いてたら、なんか勃ってきちゃいそうなんだけど」

「えーと。ちょっと俺、ションベン行ってくる」

「うわー…この捜索隊ダメすぎる」

やがて戻ってきた駒場が、無駄にキリッとしながら「よし。とりあえず、このままグダグダしててもしょうがない。踏み込むぞ」と宣言した。

「あれ、駒場君、どうしたの? 八軒君のあえぎ声でスッキリしてきちゃった?」

「うるせぇ」

「いや、そこは否定しようよ」

駒場は木製のドアを蹴破るつもりだったようだが、念のためにと相川がノブを捻ると、カチャリと手応えがあった。もしかして鍵が開いてる? 恐る恐る扉を開けると……小屋の中は無人であった。

「あれ?」

先ほどまでの嬌声は何だったんだろうと、一同、顔を見合わせた。

「もしかして……床下に猫でも居たんじゃない? サカリがついてたりしたら、赤ん坊の泣き声みたいな声で鳴くことあるよね」

相川がボソッと口走り、常盤が「そうだ、それだ。どっかで聞いたことある声だと思ったんだよ」と、手をポンと叩いた。

「もっと早く思い出せ、ボケ! ヌいちまったじゃねーか!」

駒場が怒鳴りつけて、常盤の頭を引っぱたいた。

「やっぱヌいてたのか」

「でも、ハチじゃなかったんだから、いーじゃん」

「猫でもヤだわ。獣姦の趣味はねぇ!」

木野が「キツネとかタヌキの類いならこの森にも住んでるから、鳴き声聞いてもすぐに分かったのに。こんな山奥に猫なんて」と首を捻りながらも、小屋の周囲をぐるっと巡って床下に穴がないか、身を屈めて確かめて回る。

「あれ、木野。何してるの?」

「ああ、八軒君か。いや、実は八軒君が行方不明で探してて、この小屋にいたらしいのに中に居ないから、もしかしたら穴が……って、ええええええ!?」

小屋の裏側からひょっこりと現れて、キョトンと木野を見下ろしていたのは、確かに八軒勇吾であった。




話は少し、遡る。
多摩子から話を聞いて、半狂乱になった豊西は、携帯電話で大川を呼び出した。幸い、大川も馬術部に遊びに行く予定で既に校内にいたため、すぐに駆けつけてくれた。

「アンタが言ってたあの山小屋に、八軒が連れ去られたって」

「ハァ? あの話、信じてるの?」

「だって、八軒が居ないって」

「まぁまぁ。とりあえず、落ち着けよ。部室でお茶でも飲んでさ」

「そんな、のんきなこと言ってる場合なの?」

大川は豊西の肩を両手でポンポンと叩いて「大丈夫、大丈夫だから」と、ノンキな声を出す。それを聞いている側も「根拠もないくせに」と思いつつも、そのうちに気が鎮まってくるのだから、不思議なものだ。

「そっちのお嬢ちゃんもどう?」

「あ、はぁ」

ハンケチで顔を拭って、多摩子が力なく返事をする。
こうなったら、お茶でも飲みながら、捜索隊の結果を待つしかないのかと半ば腹を括って、馬術部の部室に向けて歩き出す。部室に辿り着く前に、自転車通学の依田が通りがかった。馬術部の二年生、大川の跡を継いだ新部長だ。

「あれ、どうしたんですか、豊西先輩。大川先輩、泣かしたんですか?」

「なんで俺が」

「あのね、八軒がね、居ないって。もしかして誘拐とかされたんじゃないかって、心配で」

豊西が半べそで訴えると依田が「八軒? ああ、俺んちにいますよ」と、あっさりと言い放った。

「は? アンタんち!? なんで?」

豊西が金切り声をあげるのと、依田の胸倉が掴まれるのがほぼ同時であった。

「野宿するっていうから、アパートで寝かせてやっただけですよ。やましい事はありませんって。つーか、その手、痛くないんすか?」

平然と依田がツッコみを入れる。カッとしたあまり、火傷をしている右手で掴み掛かってしまったのだ。今さらのように掌が痺れるように痛み、思わず指の力が緩んだところを、依田がゆうゆうとその手首を掴んで胸から引き剥がした。
この男、見た目こそほっそりした優男だが、どうして一筋縄ではいかないようだ。さすが部長として「ひねくれ担当」を引き受けただけのことはある。

「アンタ、三年の稲田さん、でしたよね?」

「あ、ああ」

「そっちの妹さん主催の賭けで、アンタに生活費全額突っ込んだのに不成立になっちゃって、儲け損ねた恨みはあるんですよ。独り暮らしなのにバイトもできない身には、一円でも増やせるチャンスは貴重だったのに」

「は? 賭け……?」

「八軒の彼氏当てトトカルチョ」

「……こいつ」

実の兄すら金儲けのネタにしようなどとは。我が妹ながら、いかにもやりそうだな……と稲田が呆れていると、依田は掴まれて乱れたシャツを引っ張って直しながら「昼過ぎぐらいに回収する予定でしたけど……ご心配でしたら、今から行きます?」と尋ねた。

「駅の反対側の町だから、チャリでないとちょっと無理な距離ですけど」

「ちょっと、どっかから借りてくるわ」

そこに「自転車なら、ウチの部に二台あるわ。ちょっと古いけど」と豊西が割り込んだ。エゾノーの敷地内なら馬でいくらでも移動できるが、外に出る場合、馬は使えない。ちょっとした用事で敷地を出る時にあれば便利だろうと、かなり大昔にOBか誰が寄贈したもの、らしい。そのように代々伝え聞いている。

「私も行く。八軒、昨日ぶっ倒れたりしてたから、心配だもの。大川、どうする?」

依田が「なんで先輩方まで来るんですか。ここは空気読みましょうよ」と豊西を遮ったが、豊西は真顔で「え? なんで? 空気嫁って何?」と問い返した。

「何の事だろ……稲田君、知ってる? 空気嫁だって」

そこで、あえて稲田先輩に聞くのか。ひでぇや豊西先輩、鬼だ鬼。さらに大川が「え? 依田んち? 行く行く」とノってきた。つーか、ウチ1DKだよ? 狭くて散らかってるから、こんなにたくさん人数入るべか、と依田は頭を抱えた。

「えーと。なんか、すみません」

依田はなんとなく申し訳ない気分になってしまったが、豊西は「え? なんで稲田君に謝ってんの?」と首を傾げていた。

「多摩子はどうする?」

「八軒が無事なら、私は別にいいわ。そのカバン、邪魔なら預かりましてよ?」




エゾノーの実習林をぐるりと囲むように横たわっている緩やかにうねる道で、依田は稲田と並走しながら「昨日の晩、ウチで探し物をしていて、もしかしたら部室に忘れたんじゃないかと思いついたんで、わざわざガッコまで来たんです。そこで、八軒に会って」と説明していた。
大川は後ろに豊西を乗せているので、やや遅れ気味だ。

「アイツ、厩舎の藁にでも潜って寝るつもりだったらしいんですけど、かなり冷え込むからウチに誘ったんすよ。ここ数日、注目を浴びたり噂されたり口説かれたりで疲れたって言ってたし。で、土曜日だから授業もないし、今日は一日ゆっくりしてたらいいんじゃないかって考えて、部活も休みって届け出ておいたんですよね。本来なら、本人が届け出さないとダメなんだけど、一応、俺が部長だからそれぐらいの権限あるし。だから、いつの間にかこんな騒ぎになってるって、知らなくて」

「実習林の奥の山小屋がどうの、っていうのは?」

「アレ、森林科が新入生をからかう伝統のネタらしいですよ。大川先輩が一年の時の三年に吹き込まれたみたいで……ガッコ側から行くと、山道を延々とくねくね歩かされるんで、凄まじく秘境にあるみたいに思えるらしいけれど、林の外側から見れば……ほら、こっちから見えるでしょ? 薮の向こうに見える、あの小さな小屋。俺もチャリ通でここ通ってなかったら、気付かずにダマされっぱなしだったかもしれないです」

依田がクマ笹の茂っている向こうを指差す。小屋かどうかは分からないが、確かに白っぽい人工物が茂みの合間からチラッと見えた。

「八軒の友人らがその小屋に向かってるみたいだが?」

「森林科の木野が一緒なんでしょ? だったら遭難はしないと思うから、放っておいても大丈夫でしょう」

「で、どうしてここまでしてくれるのか、聞いていいか?」

「八軒に元気になってもらいたいのと……トトカルチョ、もう一回開催して貰おうかなって。カレシ候補だのなんだの賑やかみたいだから、今回は票が割れて絶対に儲かる筈」

「ウチの多摩子と気が合いそうだな、君は」

あとは町まで平らな道だな、とスピードをあげると、かなり遅れて走っていた大川が「依田ぁ、テメェ畜生、待てや! こっちはハンデあるんだぞ!」と、息を切らしながら喚いた。

初出:2012年12月12日
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