雀百まで踊り忘れず産屋の癖は八十までお母さんのカレーは死ぬまで大好き/7


「もしもしぃ? 旦那ァ? 山崎ですぅ」

銀時は舌打ちをして起き上がった。一応お尋ね者の身の芙蓉を、真選組の連中と鉢合わせさせるわけにはいくまい。

「たま、ちと便所かどっかに引っ込んでろ」

「台所で宜しいですか?」

「そ……そうだな。台所でもいいか」

「畏まりました」

台所に通じるドアがしっかり閉じたのを見届けてから、銀時は玄関の引き戸を引いた。立て付けの悪い朱塗りの木製の桟が、ぎしぎしと悲鳴をあげる。
そこに佇んでいた仏頂面を見た途端、なぜか反射的に両腕で頭を庇う仕草が出た。数拍の気まずい沈黙の後、銀時は苦し紛れに「な、なんだよ。多串君じゃないの。あはは、銀さん驚いちゃったじゃん。あれ、ジミーもご一緒で。ナニ? 男同士でむさ苦しくデートの途中? やめてよ、巻き込まないでよ。うちはクーラー無いから、昼間っから3Pとか、キッツいプレイはちょっと」などと、べらべらと喋り始める。

「なぁにが3Pだ。こっちもそんな暑苦しいのはゴメンだ……つーか、クーラーがあったらいいのかよ」

「うーん、お仕事なら銀さん、頑張るけど。90分2万円で、チューは1回300円ね」

「頑張るな、気色悪いわ」

銀時のボケに土方が流されそうになるのを、山崎が「いや、そうじゃなくて。旦那、実は旦那のとこにいるお女中の件で」と強引に割り込んだ。

「お女中?」

いきなりの直球に、銀時は背中に冷たいものが滑り落ちるのを感じた。山崎はその銀時の顔をねっとりした視線で覗き込みながら「ほら、たまさんとかいうお女中さん、居るじゃないですか。あの人なんですけど。ちょっと会わせてくれません?」と、畳み掛ける。

「え、ジミー君、ナニソレ。縄文式のナンパ? キモーい。江戸っ娘はそういうのには引っ掛からないんだゾ、モヒ。死ねば? 今度はツルッパゲにすんぞ」

なんでとっくに知ってるんだ、コイツラ、いつたまと面識が出来たんだ? まさか階下のお登勢のスナックの客が、余計なことチクったのか? 銀時は、頬の筋肉が引き攣りそうになるのを、必死で堪える。一体いつ、こいつらとたまに接点ができたんだ? たまと似たような容姿の女を、吉原辺りで調達するか? その前に、とりあえずこの急場をどうやってしのぐか……ブリっ娘キャラを演じて誤魔化しながらも、銀時は必死で頭脳を回転させていた。
だが、その努力をブチ壊すかのように、背後からかけられた声に、銀時は腰が抜けそうになる。

「お客様、お茶、どうぞ」

引っ込んでろと言ったのに、このポンコツ! と、怒鳴りつけたくなるのを飲み込んで振り向くと、芙蓉がお盆に冷茶のグラスを載せて、突っ立っていた。
土方が、内ポケットから写真を取り出す。

「機械技師・林流山殺害及びクーデター未遂事件首謀者・芙蓉零號。この額のホクロといい、間違いねぇな」

「ですね」

頷きあった後、山崎が腰ベルトに提げていた手錠を取り出し、有無を言わせず芙蓉の華奢な手首にかける。グラスが落ちて床に砕けた。

「てめっ、たまに何しやがるっ!」

銀時はカッとして飛びかかろうとしたが、その反応は見透かされていたのか、すかさず土方が警棒を銀時の鳩尾に叩き込んだ。ずるずると銀時の体が床に沈む。

「悪いが、俺らはあの天人みてぇに斬られる訳にゃいかねぇんだ」

あの天人? どの天人のことだろう。
だがそれを訝しく思う前に、土方はさらにもう数発、銀時の胸元や頭を蹴り付けた。銀時は身を折って咳き込み、血の塊を吐き出す。

「副長、やりすぎじゃないですか?」

「これぐれぇで死ぬような、か弱いタマでもねぇよ。それに、オメェはあの姿を見てねぇからそんなことが言えるんだ。ガキの分際で一撃で首カッ斬るような真似ができるなんざ、人間じゃねぇ。」

どうして、たまは逃げようとしないんだろう?
なぜ、黙って俺を見ているんだろう?
意識が徐々に遠くなる。

「あらぁ……鬼、だな」

ぱたり、と障子が閉じられる音がした。






女の黒髪を掴んで引き上がると、力なく開いた唇から赤い塊がどろりと落ちた。

「ち。舌を噛みやがったのか」

「アレを噛み切られなかっただけ、儲けモンだと思えや」

「ちげぇねぇ。また適当に調達するか。飯炊きも要るしな」

男が笑いながら手を離すと、床に叩きつけられた頭部からグシャッと湿った音がする。流れ出た粘液が生き物のように這いまわり、助けを求めるように足元にまで伸びてきた。その流れに視線を誘われ、初めて存在に気付いたかのように、男達がこちらを向く。

「アレはまだ、女の代わりにゃならねぇな」

「まだ炊事はできねぇだろうが……穴ぐれぇは使えるんじゃねぇのか?」

「そうだな。せっかく飼っているんだ。試してみるか」

億劫そうに腰を上げて、男が歩み寄る。後じさりして逃げようとしたが、たちまち腕を掴まれて引き寄せられる。手足をバタつかせ、手当たり次第に噛み付いて暴れたが、数発殴られて意識が軽く飛ぶ。腰が砕けそうな痛みに我に返ると、うつ伏せに転がされていた。

殺してやる、殺してやる。こいつら皆殺しにして、ここを出ていってやる。

そう心の中で繰り返すことで、突き上げられる痛みも押し潰される苦しさも、耐えることができた。今は力が足りないけれども、今はまだ弱っちいけれども、自分がもっと大きくなって強くなったら、絶対にこいつら全員ブチ殺してやる。そして、もっと自分が強ければ、自分だけじゃなくて、あのおねーちゃん達も助けられたかもしれない。いつも悲しそうに俯いていて、それでも逃げることができなかった女達。

「生意気な目ェしてやがんな。にらむんじゃねぇよ」

彼らも、元々は悪人ではなかったのかもしれない。天人襲来による社会の混乱と、攘夷戦争で荒れ果てた地で、生きるために流賊化し正気を失っていったのだろう。
だが、幼い身ではそんな情勢など理解できる由も無く、ただひたすら遠のきかける意識に爪を立てるように「殺してやる」と繰り返すしかなかった。

ひたり、と冷たいものが頬に触れる。
またひとり、女がどこからか連れ去られてきたのだろうか、とぼんやりと思う。そういえば、男達の気配を感じなくなった。

『ゴチュウモンハイカガデスカ?』

注文? 注文は、何もないよ。
強いて言うなら……笑ってくれたらいいな。ただ、そこにいて笑っていてくれれば。






「カシコマリマシタ」

「はぁ?」

チープな合成音に訝って銀時が目を開けると、すすけた天井が見えた。首を傾けると、艶の抜けた板張りの床が広がっており、己が玄関先の廊下に倒れているを知る。そして、そこに居たのは出来損ないの人形だった。やる気のない顔を貼り付けた筒状の胴体に、割り箸のような腕を刺しただけのガラクタ。

「銀さん、気がつきましたか」

「銀ちゃあん」

濡れタオルで顔を拭ってくれたのは、どうやら新八であるらしかった。その隣に神楽も居る。

「新八? なんだこの人形……そうだ、たまが」

喚きながら起き上がろうとして、全身を走る激しい痛みに崩れ折れた。

「たまさんなら無事ですよ。ちょっとだけ、中身を入れ替えて貰ったんです」

「は? 中身?」

「真選組の人が来たら『種』の部分を抜き出して、別のものに差し替えておけばいいって、源外さんが」

新八の言葉を理解するのに、たっぷり十数拍はかかった。
銀時が目の前のガラクタを鷲掴みにすると、腕をパタパタさせ「イヤン、ギントキサマノ、エチー」を連呼した。

「まさか……これが、たま?」

「ええ。真選組の方が連れて行ったのは、ドンガラに安物の頭脳を乗せたダミーです」

「別のものに差し替えればいいって言ってもオメェ、いくらなんでもこれは無いだろ、これは」

頭の奥が痛いのは、さっき殴られたのだけが原因ではない筈だ。

「源外のオッチャンが『底に穴を開けておいたスペシャルバージョンだから、十分に使える』って言ってタヨ。銀ちゃん、コレ、何に使うアルカ?」

「使えるかボケェ! あだだだだ、喚いたら頭に響く」

確かにこの格好なら、機械人形にすら見えない。だが、せめてそうならそうと、ひとこと言っておいてくれりゃ良かったのに。いや、前もって言われていたら、全力でこの造型に反対したに違いない。


ジャスタウェイ型オナホールって、これは何の嫌がらせだ。


それを握ったままガックリ脱力していると、天井からぼとりと何かが落ちてきた。見れば、赤い縄紐で海老責めの亀甲縛りに固められた猿飛であった。

「ああんっ、銀さん、そんなチャチな玩具でヌくぐらいなら、アタシを使うといいわ。この肉便所を存分に弄んで頂戴。アタシのいやらしい穴を玩弄して、貫いて、嬲って、蔑んで、めちゃくちゃにしなさい、いいえ、してくださいお願いしますぅううううう!」

その身に染み付いた納豆臭を嗅ぎ取った瞬間、銀時は反射的に猿飛を突き飛ばしていた。なぜ自分がそんな反応をしたのかは分からないが、記憶の奥底の、黒くぽっかり空いた穴とその匂いが結びついていた。



暗くて、怖くて、そして置き去りにされる孤独感。
おいていかないで!



今まで、そこまで納豆が嫌いだった訳じゃないのに。むしろ、ご飯にかけて食べるのは大好きだった筈だ。確かにこぼすと足の匂いがして臭いとは思っていたけど、恐怖を覚える程ではなかったのに。だが、心臓がギュゥッと掴まれたように縮み上がる感触がして、異常なまでに浅く早い呼吸を繰り返していた。脂汗がにじみ出ている。

「神楽、それ、外に捨てといてくれ」

「アイアイサー」

「えっ、なに、野外で放置プレイ? ツンデレ? これっていわゆるツンデレなんでしょう? そんなのって、そんなのって……萌えるじゃないのぉ!」

喚く猿飛の声が遠のいていく。銀時はしばらく玄関の扉を眺めて茫然としていたが、ふと思いだしたようにオナホールを懐に突っ込んで「新八」と呼びかけた。

「もうちっと、部屋で横んなっとくわ」

「あ、はい」

「今日は……もしなんか仕事の依頼が入っても、明日にしてもらってくれや。今日は休む」

「はいはい。毎日が休みみたいなもんですけどね」

気分がすぐれないのは、すっかり忘れていた古い記憶を夢に見たせいだろう。眠り直して、忘れることができればいいんだが。

新八の肩を借りて這うように自室に戻ると、うっすらカビくさい布団に潜り込む。ついでに言うと、枕はほんのりオッサンくさい。

「これじゃ明るくて眠りにくいでしょう。雨戸、閉めますか?」

「お。頼むわ」

新八が出て行ってから、オナホールを枕元に放り出した。

「ゴチュウモン、イカガデスカ」

「うん、ちぃと黙ってろ、たま。寝かせてくれや」

「ゴチュウモン、イカガデスカ、ゴチュウモン、イカガデスカ、ゴチュウモン」

「わーった、わーった。いいから寝かせろって」

何が不満なのか、腕を振り回すだけでなく筒状の胴体までうねらせて暴れている。仕方なく一緒の布団に入れてやると、ようやくおとなしくなった。
まだ殴られた場所が鈍く痛む。目を閉じると、たちまち眠りに引きずり込まれた。




今日からここがお前の部屋だよと示された一室が、妙に広く感じられて落ち着かなかった。何もせずに食事が与えられるのも不思議な気分であったし、清潔で柔らかな布団も、むしろ暑くて寝苦しい気がした。居心地の悪さを解消しようと、そっと部屋を抜け出して、星明かりを頼りに自分を拾ってくれた男の部屋を探す。
清貧という言葉がまさに相応しい質素な造りの屋敷であったが、それでも主人の部屋の唐紙障子の取っ手は漆塗りだった。欄間も見えないところまで螺鈿を散りばめた繊細な彫刻が施されており、気品にあふれている。そっと中の様子を伺い、眠っている気配なのに怖気づきながらも、猫のように音も無く室内に滑り込む。

「ショーヨーセンセイ?」

教えられた名で呼びかけてみたが、小さく唸ったきり目を覚ます様子が無かったので、布団をめくって隣に身体を横たえる。胸元に擦り寄って、首筋に唇を押し付ける。くすぐったかったのか、さすがに軽く身じろぎをしてまぶたをうっすらと開いた。

「ん……っ? 何をしてるんだね?」

「お礼」

「オレイ?」

するりと肩がはだけて、色素の薄い肌が夜闇の中、ほのかに浮かび上がる。

「これ、そういうことは子供がするもんじゃない」

松陽は慌てて押し留めようとするが、構わずに口に吸い付いた。よく知っている男達のごわついた髭だらけの顎とは違う、よく手入れされた滑らかな頬に、己の頬をすりつける。

「こうしてあげると、男の人は喜ぶから。本当はあんまり好きじゃないんだけど、センセイはご飯食べさせてくれたし、お菓子や新しい服もくれたから」

そう囁きかけると、松陽の動きが止まった。
受け入れたというよりは、どう反応していいのか迷っている様子だ。柔らかく甘い唇を食んでいると、おずおずと髪の毛を撫でてきた。

「気持ちは有難いが、こういうことは、好きな人だけにするものだよ」

「センセイは優しいから、好きだよ?」

「そういう好きじゃなくて……困ったな。とりあえず、おやめなさい」

「気持ちよくない?」

「そういう論点じゃないんだが……つまり、こういうことは、大人になってからするものなんだ」

「俺、ずっと、してたよ?」

「それはその……どう説明したらいいんだろうな」

高名な知識人・吉田松陽ともあろうものが、すっかり途方に暮れてしまったが、少なくとも、この幼い子供が今まで、どうやって生きてきたのかは察することができた。

「ともかく、これからはもう、そんなことをしなくてもいいんだよ」

「じゃあお礼は、どうやってしたらいいの?」

すっぽりと腕の中に包まれて、大きな目で見上げてくる姿は、とても鬼子と恐れられていたとは思えぬほどあどけないというのに。

「何もしなくていいよ」

「何も?」

「強いて言えば、そうだな……笑ってくれればいいよ。お前が笑っていてくれれば、私はそれで十分、嬉しいよ」

その言葉に、あ、と小さな声が漏れた。
さらり、と松陽の長い髪が鼻先をくすぐる。遠くでパタパタと音がしているのは、虫の音だろうか。

「センセイ、大好き」

首に腕を回すと、柔らかく抱き返された。

「うむ。俺も愛しているぞ、銀時」

その聞き覚えのある、というよりも聞き覚えが『あり過ぎる』声に、銀時は一瞬にして目が覚めた。とっさに足を振り上げて、相手の腹へ叩き込む。





「なんでオマエがここに居るんだ、ぼけぇ! しかもドサクサ紛れに抱きつきやがって!」

そこに居たのは、桂小太郎であった。蹴り飛ばされた腹を抱えてのたうちながらも「抱きついてきたのは、そっちじゃないか、銀時。しかも熱烈に接吻してきて、今さら照れる必要などないぞ」などとホザいている。

「新八ィ! なんでこのアホ、寝室に通したんだ!」

八つ当たり的に喚いた声に、新八がふすまの向こうから顔を出し「だって、銀さん、仕事は明日に回せっていったけど、お見舞いについては何も言ってなかったから」などと、減らず口を叩く。

「銀さん寝てるだろーが! 常識的に考えろ、常識的にぃ! 寝ぼけて銀さん、なんかやらかしちゃったじゃねーかよ! どーすんだよオイ、銀さん汚れちゃったよ?!」

「なんだ、暗示の効果で、ついに俺と恋に落ちたのだと思っていたのに。違うのか」

「なんでオメーとそんなモンに落ちなきゃいけねーんだよ、そんなオチいらねーよ。どうせ落ちるなら地獄に落ちろ、テメーだけ落ちろ、酵素のパワーで徹底的に落ちろ、そして二度と這い上がってくんな! ってゆーか、え? 暗示って何?」

キョトンとした銀時の顔をじっと覗き込み「覚えてないのか? ほれ、懐かしさを覚えたりしないか?」と、桂が囁きかけた。

「懐かしいもなにも、付き合いはそりゃ長いが、オマエにはどっちかというとうっとぉしい、としか感じねぇよ」

「おかしいなぁ。これでもか? 童(わっぱ)」

桂が銀時の頭に手を乗せようとした。銀時は条件反射的に「触るなっ!」と喚いて、横っ面に右ストレート、鳩尾にも鋭い正拳突きを叩き込んでいた。その一瞬、妙な既視感を感じて銀時は眉をしかめたが、何かに思い当たる前に、再びふすまが開いて新八が「銀さん、近藤さんがたまさんを連れて来て……桂さんを脱走させてあげないと」と押さえ気味の声で告げた。

「ううっ、カレーが溢れた、もはやこれまで。カレーニンジャー・イエロー無念なり」

「テメェ、何ワケわかんねーこと言ってんだ」

大慌てで雨戸を開けると、唇の端の出血と鼻血で顔面がドロドロの桂の襟首を引ッ掴み、渾身の力で放り出す。寝起きの重労働に目眩を覚えて、窓枠を掴んで呼吸を整えているところで、近藤が「いやぁ、万事屋、うちの部下が済まないことをしたな。どうやら人違いだったようだ。まぁ、その、なんだ。同じ顔の人形はいくらでもあるだろうからな。これ、お詫びのしるしに」と、菓子折りを持って現れた。その後ろに釈放された家政婦型・機械人形が突っ立っている。

「イヤン、ギントキサマノ、エチー」

その存在に触発されたのか、枕元に転がっているオナホールが腕をパタパタ、胴をうねうねブルブルと自己主張を始め、それに気付いた近藤は、その淫具と銀時を交互に見比べて、妙な笑みを浮かべた。

「えーと。その、アレだ。うん、まぁ、頑張れ?」

「ちょっ、違っ! 違うから、使ってないから、コレ使ってないから、いくら使ってないからって、こんなのに頼ってる訳じゃないから、ちょ、誤解してない? 違うからね、銀さんにだって相手ぐらい、いくらでもい……たらいいなと思いました。あれ、作文んんっっ!?」

「イヤン、ギントキサマノ、エチーエチーエチーエチーエチーエチー!」

必死に言い訳をしている銀時の苦労も知らず、オナホールは一向に静まらない。
さっき、夢の中で虫がすだいているように聞こえたのは、この音だったのだろうかと、銀時はふと思っていた。



【後書き】全く別のハナシの予定だった、着ぐるみテーマパーク騒動と、銀時の幼少時代捏造をミックスさせてみました。一応おおまかなストーリーの骨組みは頭にあったものの、登場人物が無駄に多い上に、色々膨らんできてしまって、うまくまとまるのか不安でしたが……なんとか漕ぎ着けました。
特に捏造部分は、地蜘蛛編で松陽先生が銀時を拾ったシーン(……を、ジャンプで立ち読みしただけのうろ覚え)から妄想を膨らませたシロモノ。ジャンフェスでの過去編のアニメも見てません。ドンマイ。

ちなみに、芙蓉のボディ入れ替えシーンは、いつものポクポン芙蓉の予定でしたが、原作にポクポンは居ないのに出過ぎかなと考え直して、あの造型にしました。それでも邪悪なちくわであることに代わりはないとか。ドンマイ(←2回言った)。
初出:2009年09月10日
加筆修正:同月11日
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