う に こ う る/下
激痛と快楽と屈辱感と吐精の疲労と……すべてがない交ぜになって、銀時が臥したまま動けなくなったのを見て、陸奥が腰を引いた。血と潤滑油を絡み付けながら、張り型がずるずるっと抜けていき、その動きに伴って、銀時が掠れた声で苦痛の呻きを漏らす。
「おまんひとりで達したようじゃの。だが、こっちの面倒を見てもらおうにも、そのへのこは本当に役に立たぬようじゃな」
陸奥が、銀時に覆いかぶさる姿勢になって、耳元に吹き込むように、ボソボソと「それで女を抱けぬ代わりに野郎遊びか? 若衆にしては図体がでかすぎるし、トウも立っちょる年齢だというに」などと嘲りの言葉を囁きかける。大声で言わぬのは、坂本が聞き咎めたらさすがに叱られるという自覚があるからだろう。
陸奥の小振りながら形の良い乳房が背に押し付けられる形になっていたが、銀時はその言葉にトドメを刺された形で、その女体の感触を楽しむような心境にはなれなかった。
「これだけたっぷりわしが可愛がってやったんじゃ。かしらの手を煩わさんでも、十分満足じゃろう?」
ククッとのどを鳴らして笑うと、陸奥は身体を起こした。腰に巻き付いている革帯から、角製の張り型がだらりと垂れ下がっている。陸奥はベッドから降りると、その革帯の留金を外した。ガランと音を立ててそれが落ちると、陸奥の白い肌には赤く帯の跡がついていた。
くるりと振り向くと、夜叉の如き鬼面から一転、坂本ににっこり笑いかける。
「さぁて……かしら……いや、坂本さん?」
「はぁ? 陸奥、まだヤる気か?」
「まだも何も、わしはまだ、全然満足しちょらんよ。こいつが使い物になっておれば、少しは違ったろうがな」
陸奥が舌舐めずりしながら、あきれ顔で長椅子で酒をちびちび手酌していた坂本に歩み寄る。その腿は、溢れた愛液が滴り落ちて、べったりと濡れ光っていた。銀時を犯していた倒錯的な興奮が、さらに気分を盛り上げているのだろう。目の縁が隈取りを施したように赤くほてっていた。
「陸奥、その……落ち着け。ちょっと冷たい茶でも飲んで、一服してからにせんか? 身体がしんどいじゃろ?」
「しんどくなか……坂本さんはそのままじっとしていてくれて、かまわんぜよ」
陸奥が坂本の足下に尻を据えると、両手で袴の前を割って褌を掻き分け、男根を掴み出した。完全に硬化しきってはいないが、やはり熱を帯びて膨張している。
「それに、ほれ……ここは、わしらの痴態を目にして、興奮しておるようではないか」
嬉しそうにそう言うと、坂本が制止する間もあらばこそ、舌なめずりするや、小さな口を精一杯開いてその先端を頬張った。とても奥までは呑みこめないと悟るや、今度は桜色の舌を伸ばして、根元からなぞり上げる。
「ウっ……あっ……ちょっ……陸奥ッ……あッ」
えげつないまでに派手な水音を立てているのは、わざと銀時にその音を聞かせているからだろう。陸奥は、背中に嫉妬の視線が突き刺さっているのを、優越感と共に感じていた。
「坂本さん、どうじゃ? 惚れた男に見られながら、女と戯れる気分は?」
「……最悪じゃな、このクソアマぁ」
「そうか? こちらはお気に召したと仰っておるようじゃが?」
陸奥がニッと唇で笑ってみせる。確かに、ねっとり舐められたせいか、坂本のものは怒張し天を仰いでいた。陸奥はそれを満足げに見下ろすと、坂本の腰をまたぐようにして、その中央に腰を下ろした。十分に濡れていたせいか、さすがに雁首までは眉をしかめていたものの、そこから先は何の抵抗もなく坂本を飲み込んでいく。最奥まで届くと、うっとりと吐息をついた。
その姿勢から唇の届く範囲で、胸といわず肩といわず口で吸い付き、歯を立てて、所有印を刻む。
「陸奥っ……!」
「怒ってもよかよ。怨んでくれてもよか。嫌われたって構わん。心まで欲しいなんて贅沢は言わん。あんたはわしが一人占めできる男じゃなかことは、分かっちょるから……ただ、今だけは……今日だけは情けをかけてくれる約束じゃろう? だから、あんたを他の人とは寝かせたくなかった。あの男は逢瀬の邪魔だったから……それだけのことじゃ」
熱っぽく囁きながら、一方的に腰を揺すって快楽を掘り起こす。
「今日だけ……今日だけだから……明日からまた、あんたの片腕として、副官として、私情をはさまずに働くから」
坂本は、本人の意志とは無縁に、刺激されるままに反応してしまった男性生理にあっけに取られていた様子だったが、やがて包み込む肉のわななきに頂点が近づいていることを察すると、苦笑しながら両手を伸ばして陸奥の腰を支えてやった。さすがに上体を起こしているのがつらくなってきたらしく、長椅子の背を掴んで支えている腕が折れそうに震えていたのだ。
「腰を引け……孕むぞ」
「中でもわしはかまわんぞ……いや、いっそ」
「おいおい、冗談じゃなか。わしゃあ、そこまで責任とれんぜよ」
細腰を掴んでひょいと持ち上げて逃がそうとするのを、女の太股が胴に巻き付いて拒む。
「ちょっ……陸奥、待て、本当に……まずいじゃろが」
「黙れ。かまわんというに」
うるさいのを塞ぐといわんがばかりに唇に吸いつく。それでも尚、自ら尻を振るようにして、受け入れたモノで己の蜜壷を掻き回し、貪欲に昂っていく……やがて重なった身体がニ、三度大きく爆ぜたかと思うと、静かになった。
そのまましばらく抱き合ったまま、ふたり呼吸を整えていたが、立ち直ったのは陸奥の方が早かった。ニッと笑って起き上がると、ちょっと汗を流して来る……と、陸奥は上機嫌で部屋を出て行く。
「せっかくの子種だから、流れ出ないように栓でもしようかのう」
「ばか、妙なことしなぁ。奥までキレイに洗ってこい」
「ちいっ」
何を考えちょるんだか……と、茫然と見送ってから、坂本はふと思い出したように下履きを直す。そして、ヨイショと声をかけながら長椅子から立ち上がると、まだ寝台の上でぐったりしている銀時にそっと歩み寄って、その頬を軽く叩いた。
「おい、しっかりしろ……大丈夫か?」
「うーん……身体も痛いが、心も痛ぇ」
「何いっちょるか。歩けるか?」
「あんなムチャクチャされて歩けるか、バカヤロウ……責任取って、うちまで送っていきやがれ」
そう言うと、甘ったれた様子で銀時は坂本に手を差し伸べる。
「わしの責任かぁ?」
「部下のしでかしたことなら、上官のてめぇの責任だろ」
「理屈じゃな。だが、陸奥のことは許してやっちょくれ。あれも健気なヤツでの。日頃は大儀のためにと、じっと堪えて有能な部下に徹してくれておるんじゃ。だから、時折忍んで情けをかけてやっていてのう。日頃押さえちょるだけに、歯止めが効かなくなるらしくて……すまんのぅ」
「お情けにしては熱烈だったじゃねぇか」
「妬いちょるのか? 光栄じゃが見当外れじゃよ……さて、送るにしても、わしが抱き上げるにはおんしはちと育ち過ぎとるのう……人力車でも呼ぶか?」
「……どうせおれぁ、あの女と違って図体でけえし、若くもねぇよ」
「おいおい、何を拗ねてるんじゃ?」
坂本は、己の襟元に顔を埋めてしまった銀時の背を撫でながら、途方に暮れてしまう。
こんなことしてグズグズしていると……と、危惧していたら、案の定、内湯を浴びた陸奥が浴衣を羽織ってヒョイと顔を出してきた。髪は手拭いにくるんでクルクルと巻き上げている。
「ひとがちょっと目を離したと思ったら、すぐこれか……坂本さん、そいつ、わしが届けておこうか?」
「おんしが届けるちいうたら、生死ば問わんのじゃなかったか?」
「坂本さんに頼むよかマシじゃ」
陸奥の声を聞いた銀時の指先に、ギュッと力がこもる。
「まぁまぁ。おなごの身でこの大男ば担ぎ上げるんも、難儀じゃろ。ちょいと表通りに出て、人力車でも呼んできちょくれ」
「あいわかった」
陸奥は浴衣で全身の水気を拭って脱ぎ捨てると、白い肌を赤い腰巻きで覆う姿もしかと見せぬうちに、手早く小紋を羽織ってしまった。慣れた手付きで腹の上に帯を結ぶや、くるりと背に回し、髪の毛は結わずにぱらりと垂らす。ふと、何を思ったか半ば折れた珊瑚のかんざしを、袂にしまい込んだ。白足袋は懐に、素足のまま下駄を履き、思い出したようにくるりと振り向く。
「わしが戻るまで、ここでおとなしくしててつかぁさいね」
「ああ、分かっちょる、分かっちょる」
「本当じゃろうか?」
陸奥は不審そうにそうボヤくが、本人が面と向かって『分かっている』というのを、更に念押しすることもできず、後ろ髪を引かれるようにして部屋を出て行った。
「どうする? このまま部屋ば抜け出して、逃げてみるか?」
陸奥の姿が扉の向こうに消えて二呼吸ほど置いてから、坂本が銀時の耳元に囁く。
「だから、歩けねぇってよ、俺」
「そうかぁ。つまらんのう。せっかく愛の逃避行とシャレ込みたかったところじゃが」
「な……なぁにが愛の逃避行だ。あのアバズレとお似合いだぜ、てめぇ」
「違うというに……そう思うのなら、少しは手を緩めたらどうじゃ? 衿が千切れそうだぜよ」
指摘されて、銀時はハッと手を離す。力を込め過ぎていたのか、指先が蝋のように白くなっていた。
「それとも……本当に俺があんたと逃げてぇと言ったら、逃げてくれたのか?」
「実際には、無理じゃろうな」
坂本は悪びれもせずにケロッと言ってのける。
「わしには船があるし、やらにゃあならん大義がある。おんしも棄てられんもんがようけあるじゃろう」
「なんだてめぇ、口先だけかよ」
「本気だからこそ、実際に行動したリスクを想定して、臆病になるんじゃがな。だがまぁ……半刻程度なら、そういう気分ば味わうのもいいとは思わんか?」
銀時がハッと目をあげる。サングラスをしていない坂本の目が、いたずらっぽい光をたたえていた。その目に吸い込まれるようにして視線が絡み合い……唇が微かに震えながら重なりそうになって……寸前で止まった。あの女の移り香がしている。そんな匂いに抱かれるのはまっぴらだった。
「やめとく……半刻じゃせわしなさすぎるし。どうせなら、また今度……邪魔ものなしで、ゆっくりできる時にしようぜ?」
「さぁ……今度なんぞ、あるかのう?」
「てめぇの胤があのアバズレにアタってたら……ねぇかもな」
「そっちこそ、わしが地球ば離れてる間に、何かないとも限らんぜよ」
「俺は……ねぇよ。こういうことは、トロくせーんだ」
「どうだか」
せめてもう少し体温を貪ろうと、コトンと坂本の胸元に額を落とした時……情け容赦ないまでに勢い良く扉が開き、一陣の夜風を伴いながら、陸奥とマッチョな男性が部屋に入ってきた。男は黒の半纏にねじり鉢巻き姿、裾をからげて褌を締めた尻は丸出しという威勢の良さだ。
「人力車を手配してきたぞ。歩くのがしんどいじゃろうから、車夫のおあにぃさんにも来て貰った。坂田殿、おあにぃさんに車まで担いでもらえ」
銀時はがっくりと項垂れてしまい、坂本は同情したようにその肩をポンポンと叩いたものだ。
「なんかさ、今日の副官、すっげぇ機嫌良くねぇ?」
「ああ、肌なんかもツヤツヤしまくってる気がするし」
「そうそう。なんてぇの? 色気というか、精気というか、フェロモンというか……溢れてるよな」
「おかしら……この休暇でどんだけ副官に絞り取られたんかなぁ?」
「そうだな、おかしらは休暇どころか、いつもよりもコキ使われたんだろうな……ほら、見ろよ。対照的にげっそりやつれちゃって」
「日頃、あんだけおなご遊びしとるというのにか?」
「そりゃあ……あの副官が相手じゃあなぁ……さすがのおかしらも当分はオンナはもう結構……という心境になるらしいぜ?」
「へぇ? そーいえばさっき航海予定を見たら、人間型の天人の星が妙に少ない気がしたけど、関係あるのかな」
「あー……確かに言われてみりゃあ、そんな気もするな」
「げ……噂をすれば副官……はい、なんですか? え? 地球時間? 江戸のっすか? そうですねぇ、そろそろ明けの四つ時(午前10時頃)でしょうかねぇ?」
いつもだったら船員たちの無駄な私語は厳しく叱り飛ばす陸奥であるが、今日に限っては全く意に介していないようで「ほう、明けの四つか……」と、上機嫌に呟いていた。
「ということは、そろそろあの萎え魔羅野郎も起きて、土産の包みを開いた頃かのう」
何かを思い出して、陸奥の唇がニィッと吊り上がった。その唇は紅を差していないにも関わらず緋く、濡れたように艶やかであった。
人力車の中で、うとうと眠ってしまったらしい。
目を醒ますとすっかり夜が明けていた。聞けば、自分がここに届けられたのは亥の刻から子の刻になろうかという頃合(午後11時頃)だという。だが、宿を出たのは、戌の刻の頃ではなかったか。
もう遅いから泊まって行けばと薦めたら、陸奥は隣の坂本にちろりと視線をやりながら、これからよそに宿を取ると言ったのだとか。
「あんのアバズレゴリラ……よくもいけしゃあしゃあと」
「あんまりそういう言い方するもんじゃないですよ。爆睡してる銀さんを、坂本さんと車夫のおあにぃさんとで、わざわざ担いで連れてきてくれたんですよ。いいひと達じゃないですか。それにほら、今回も僕らにそれぞれお土産って」
なるほど、途中でどこかに……もしかしたら、宇宙港に繋留している自船に……立ち寄って、土産物を見繕っていたようだ。それなら時間的な計算もあう。
「てめぇらは、あの女のかぶってる猫の皮しか見てねぇからな」
「あの人が何かしたんですか?」
「何かって……そらぁ、その、なんだ」
……言えるわけがない。
大の男が小柄な女に好き放題弄ばれただなんて、どうして言えようか。思わず絶句して、顔を赤くしたり青くしたりしながら、口をぱくぱくさせている銀時を、新八が不審気に見やる。
「まぁ、色々あるんだ、オトナには」
「ふーん? それこそオトナゲないと思いますけどね……これ、銀さんの分だって」
「へぇ? この箱の大きさは、かすてぃらかな。かすてぃらだったら嬉しいんだがな」
首を傾げて箱を振ってみると、なにやらカサコソと音がする。かすてぃらじゃないのなら、ハテ何だろう?
「神楽ちゃんは小銭入れを貰ったんですよ。小銭を入れるのがもったいないぐらいの」
「へー……?」
「コレよ。銀ちゃん、お姫さまが持つよな見事なお財布ネ。銀ちゃん、お小遣いよこすヨ。中身も立派にしなくちゃあるヨ」
「ぶぁか。武士は食わねど高楊枝なんだよ」
そういいながら、ふとその財布をみやれば、桜色の錦でつくられた可愛らしいがまぐちであった。
「ぷちぷち模様がカワイイあるネ」
「あ……ああ、そりゃあ、江戸紅型(びんがた)と言ってな、その小さな模様の一つ一つを染め抜いた、そりゃあ手の込んだ、知る人ぞ知るっていう粋な生地でな……その模様がほれ、鮫の肌のように見えるだろ。それは江戸紅型でもそれと知られている鮫紋ってえヤツだ……最近こっちではあんまり見ねぇが、多分、よその星ではこういう伝統的なモンがウケるんだろうな」
説明しながら、そういえばあの女の着ていた小紋が同じ柄だったなぁと思い出し、銀時はふと眉をひそめていた。気に入ってるせいか何かは知らねェが、なんだってわざわざ、てめぇの服と同じ布地を選びやがるんだか。
「僕のはストラップでしたよ。ちょっと変わった材質のって」
新八が袂から携帯電話を取り出して見せた。そこには小さな象牙色の彫像がぶら下がっている。
「へぇ? 根付か」
「うにこうるの角で出来てるんですってよ」
「う……うにこうる」
「うにこうるって何ぞネ?」
「うにこうるは、うにこうるだよ……分かりやすくいやぁ、ユニコーン……一角獣のこった」
なにかを思い出した銀時の顔が軽く引きつる。絶対にわざとだ……これは嫌がらせに違いない……ということは。
「銀さんの分は何でしょうね?」
「さぁ……な」
嫌な予感がする。これは被害妄想なんかじゃない。絶対、ガキどもの前じゃ開いちゃいけねぇ気がする。
「後で、ひとりで開けらぁ」
「そんなこと言わずに、今開けましょうよ。せっかくなんですし」
「ソだヨ。銀ちゃんのお土産も見てみたいヨ」
神楽がヒョイと細長い箱を取り上げる。ワッと喚いて取りかえすヒマもあらばこそ、神楽の白い指がグシャッと豪快に箱にめり込んだ。
「うぁああああああああっ!」
クラッシュした箱から、棒状のものが2本、転げ落ちる。一本は細いびいどろ細工のようで、根元に赤い飾り玉のようなものがついており、もう一本はややずんぐりした黒塗りのスリコギのようなもの、それらはコードのようなもので繋がっており・・銀時はダッシュでそれに飛びつくと、電光石火の勢いで懐に捩じ込んだ。一瞬見ただけでもう分かった。こいつぁオトナのオモチャに違いねぇ。
「ぎ……ぎぎぎ……銀さん、い、今の……」
「新八。忘れろ。今見たのは悪い夢だ。幻影だ。視神経細胞に生じた一瞬の徒花だ」
「銀ちゃん、今の何カ? 新八分かったアルカ? アタシだけノケモノ、ずるいヨ」
「ずるくて結構だ。フラフープを腰でとめられねぇような幼児体型のヤツぁ、知らなくていいことなんだ」
「銀ちゃん、ひどいヨ、神楽だってフラフープ腰でとまるヨ。四年生の頃、フラフープの宇宙選手権に出たイって、作文に書いたことあるヨ」
神楽はなおもそう言い募って銀時の懐中のブツを狙おうとするが、銀時は際どいところでひょいと身を逸らせて避けると、居間を逃げ出した。
自室にこもって、恐る恐る懐の中身を取り出す。
びいどろ細工と思ったのは透明のやや柔らかい樹脂製で、通常の張り型とは違って極めて細く、かんざしのようだ。そういえば、この根元の部分の飾りは珊瑚に違いない。あの折れたかんざしの珊瑚をわざわざ取り付けたのではないか? なんのためにと問うまでもない。200パーセント、嫌がらせに決まっている。
もう一方の方はコントローラーらしく、スイッチを入れると極細の張り型が低く唸って震動するようになっている。
「あ……あんの雌ギツネっ……! ふざけやがってっ!」
銀時は力一杯、その尿道バイブを床に叩き付けると、踏みにじった。
(了)
【後書き】かなり前にほぼ書き上がっていて、あとは陵辱シーンを残すだけ……という状態で筆が止まっていました。男女の形成逆転、張り型使用、尿道プレイと、初めての試みが目白押しで、書いてる方は楽しめましたが、読む側はさて、どうなんでしょう。
作中では酷い人になってしまいましたが、私、陸奥は健気でカワイくて大好きです、ハイ。
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